2020年下期 湾ナビ評価額のダイジェスト



●マーケットレヴュー

 2020年下期(7~12月)のマクロ経済の景気動向は、2020年上期の悲観的状況とはうって変わり、新型コロナが収束に向かう期待感や市場の底打ち観測から日米株式はどちらも大きく上昇しました。NYダウは史上初となる3万ドルの大台を突破、日経平均株価もバブル期以来の高値水準で12月の取引が終わりました。
コロナショックで急激に落ち込んだ消費を支えたのは、世界各国中銀の金融緩和と各国政府の財政支出でした。このためマネーが溢れて、金融市場では深刻な「金余り」状態が続いています。各国の国債が軒並みゼロ金利並みに下がる中で、資金が行き場を求めて、株式市場、そして不動産市場に流れ込んでいます。

いま、オフィス街を歩くとコロナショック前よりも明らかに人通りは減っています。リモートワークが当たり前になり(弊社の現場部門は当然リモートワークとはいかないのですが(笑)、東京都心オフィス街飲食店の客入りは体感で5~6割、場所によってはもっと悪いかもしれません。 逆に湾岸マンション価格ナビオフィスのある豊洲・月島を行き交う人の数は減っていません、豊洲については増えたと思うほどです。ららぽーと豊洲3の飲食店は平日、休日どちらも並んでいて、同じ東京でも純粋なオフィス街と、住職近接エリアでは様相が違います。 さて、第1回目の緊急事態宣言終了後からずっと忙しい状況が続いており、湾岸エリアの住宅需要は、サービス開始から最も高まった状況にあります。旺盛な需要に対して、供給つまり物件の売却主が追いついておらず、極端な売り手市場となっています。勢いは止まることなく、半年前のデータを基準とした評価額(2020年下期)では、本原稿執筆時点 (2021年4月) での実態をきちんと反映できません。

この状況を踏まえまして、今回より湾ナビ評価額の値付けルールを変更させていただきました。
旧「半期前の結果を参照し、半期前の評価額を公開する」
新「半期前~現在の結果を参照し、現在の評価額を公開する」

湾岸マンション価格ナビ対象マンションの取引数は273。前回と比べると9%取引数は上昇しています。「売り物件が枯渇している」という状況の中で、これだけの数が成約したということは、「出した物件からすぐ売れる」という状況となっているためです。


【豊洲エリア】
 2019年~2020年の豊洲エリアは勢いのあった2018年に比べて、全体的に取引数の減少がみられています。といっても、人気が無くなったわけでは決してなく、人気が上昇しすぎて、①物件価格の上昇が検討される方との目線と若干合いづらいこと、②売り物件がそもそもないこと。この2点に原因は収斂されています。今期最も活発に取引されたのは、豊洲3丁目エリアのタワーマンションでした。特に「シティタワーズ豊洲 ザ・ツイン」は半期に成約数27と、ここ5年で最も勢いがあった2018年上期に迫る勢いでした。
3丁目の「シティタワーズ豊洲 ザ・シンボル」「THE TOYOSU TOWER」も活発な取引が観測されました。どちらも豊洲駅からの距離が近く、運河沿いで住みやすい環境が揃っているマンションです。
6丁目のシンボリックタワー「SKYZ TOWER&GARDEN」も、今期大幅な上昇判定(+9.94%)とさせていただきました。指名買いがとても多いマンションで、需要に供給が追い付いていない代表的なマンションです。
今回、実情に合わせて豊洲エリアはすべて大幅上昇とさせていただきました。エリアトップの上昇幅は、「オーベルグランディオベイ・フロント」の+12.90%でした。


【有明エリア】
 エリアの相場を引っ張る「シティタワーズ東京ベイ」につられる形で、人気が高まっているのが、有明エリアのタワーマンションです。 「ブリリアマーレ有明」「ブリリア有明スカイタワー」の2マンションはどちらも半期で成約数が27と、2018年以降最も活発な取引が観測されました。有明ブリリアシリーズは、人気の有明西学園校区であり、充実した共用部を備えていますので、多くの引き合いがあります。
なお、もう一つの有明西学園校区である「ブリリア有明シティタワー」も成約数17と600戸という規模を考えると、前述2物件と同程度の勢いを感じます。ブリリア有明シティタワーの評価額上昇幅は、エリアトップの+12.53%となりました。免震かつ比較的築浅のため、すぐ近くで販売中の「ブリリアタワー有明ミッドクロス」との比較で買われた部屋が多くありました。実際、北西側眺望は湾岸エリアの中でも特筆すべきです。
「有明ガーデン」の無印良品がオープンとなり、あとは竣工済みの劇団四季劇場を残して、ほぼ完成となりました。こちらの施設で有明エリアの居住性は大幅に向上したといえるでしょう。有明アリーナや有明体操競技場の正式オープンももうすぐということで、今後とも非常に楽しみなエリアです。ブリリアマーレ有明以外は、すべて2桁近い大幅な評価額上昇となりました。


【東雲・辰巳エリア】
 2020年上期は近年の中でも特に活発な取引期となりましたが、引き続き活発な取引を観測できるのが東雲エリアです。本期は東雲キャナルコート内で唯一の免震タワーマンション「BEACON Tower Residence」の取引数(14)がエリアトップとなりました。内見の際に2Fのビーコンカフェをお客様にご案内すると、皆さんカフェとしての完成度の高さに感心されます。
活発な管理組合活動で知られる「プラウドタワー東雲キャナルコート」も、2018年以降で最も取引数の多い半期となりました。東雲キャナルコート内のタワーマンションは自走式駐車場が基本であり、最近大型化する車体に対応できることもあって、車好きの方から一定数のニーズがあります。
特徴的なオーバル型新築マンションである「プラウドシティ東雲キャナルマークス」の分譲が続いているということもあり、東雲エリアの中古マンション取引も依然活発です。 本期の辰巳エリア内の取引は少なかったのですが、「ブリリア辰巳キャナルテラス」「バンベールルフォン辰巳」どちらも強気の成約事例を観測したため、評価額を大幅に上昇させていただきました。


【晴海エリア】
 「ザ・パークハウス晴海タワーズ クロノレジデンス」「ザ・パークハウス晴海タワーズ ティアロレジデンス」「パークタワー晴海」それぞれ、+10%近い評価額上昇とさせていただきました。クロノレジデンスの取引数は常にティアロレジデンスよりも多く、この3年間の取引数は約2倍となっています。兄弟マンションでありながら対照的な取引の様相は興味深いといえます。 「HARUMI FLAG」から近い、「晴海テラス」「晴海レジデンス」は取引数が7と3で、ここ数年で最も取引された半年間でした。
この2マンションは、HARUMI FLAGが街びらきをする時、商業施設のオープンや交通広場の稼働開始など、恩恵を一番受けるマンションと言えるでしょう。 相変わらずHARUMI FLAGの分譲は停止したままですが、オリンピック開催後には再開となるでしょう。どのような価格設定で出てくるのか、日本を代表するデベJV物件だけに、今後に注目です。


【月島・勝どきエリア】
 前期は一服感のあった「キャピタルプレイス ザ・タワー」ですが、今期は更に強気の取引が観測されたため、平均坪単価は489.5万円と、坪500万円近い価格を付けるようになりました。
しかし、お隣の勝どきエリアでは徒歩1分の駅直結物件「パークタワー勝どき ミッド」が大人気、ということもあり、こちらは2路線しようできる月島駅直結ですから、それとの比較を考えても、今後も人気は高止まりすることが考えられるでしょう。
「勝どき ザ・タワー」は久しぶりに大商いの取引数25となりました。これも近隣の新築が売り出されたことにより、周辺中古マンション取引が活性化したことの証左です。坪400近い評価額はパークタワー勝どきミッドの第一期販売が坪420で会ったことを考えると、驚異的な数字です。東京BRTが本格稼働すると、新橋(汐留)および虎ノ門まで頻繁な回数で直結することになり、利便性は格段に向上します。


●成約戸数

2020年下期の成約戸数(湾ナビ取扱いマンションのみ)は、前年同期比で+58.7%でした。


●評価額の変動

2020年下期の全体評価額変動率は、前期比+8.52%の大幅上昇となりました。ただし、前述の通り今回より、評価額のルールを変更し、半期分先取りした形となっております。ご了承ください。

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