2018年上期 湾ナビ評価額のダイジェスト

●マーケットレヴュー

2018年上期(1~6月)は景気の雲行きが若干怪しいものの、依然として経済は高空飛行を続けており、日経平均株価もピーク時2.4万円を超えるなど全体としては好調な水準となっております。しかし、世界経済に目を向けてみると、トランプ政権が中国に仕掛ける貿易戦争、経済覇権国争いの行方がどうなるかわからず、2018年下期あたりから中国の景気後退を含め影響が出始めるとも言われており、先をなかなか読むことができません。
このような状況下の中、首都圏のマンション市況を俯瞰すると、新築マンションの先高感は相当高いものがあり、月島・東雲・有明で、新築大規模物件が過去例のないような坪単価で供給が開始されています。追い打ちをかけるように、東急が豊洲5丁目で販売開始するタワーマンションは更に高いのではないかとの噂がかけめぐり、このエリアの中古マンション取引を活発化させています。
湾岸マンションナビ対象マンションの取引数は過去最高を更新し、前年同期比と比較して成約数は118%に達しました。 成約数の増加とともに、在庫数は急減しています。つまり、「成約増→在庫減→価格上昇(→在庫増加?)」の拡大サイクルに入っています。ただし、前期から今期にかけて湾ナビ対象マンション全体の平均評価額変動率は0.76%の上昇と、それほど力強くはありません。
「湾岸タワーマンション」のネット上での情報が飽和化する中で、購入検討者が買う前に十分学習していらっしゃることで、一部の人気マンションへ買い手が集中する傾向が見られます。一方で、成約数は多いものの、買い手・売り手のコンセンサスが決まったレンジに収まり、上値が伸びないマンションも確認できます。
全体的に、景気の先行きに不透明感はあるものの、湾岸タワーマンションエリアは成約数・価格ともに順調な推移を観測しております。

【豊洲エリア】
豊洲エリアは全体として上昇判定が多くなりました。
過去最高の成約数を記録したマンションは、「東京フロントコート」「スターコート豊洲」「アーバンドック パークシティA棟」「同B棟」「シティタワーズ豊洲 ザ・ツイン サウスタワー」「SKYZ TOWER&GARDEN」です。これら成約が好調だったマンションはすべて、評価額を上昇判定させていただきました。
豊洲エリアは、駅前ビル開発・東急タワーマンション建設・都心と臨海部を結ぶBRTなど、既に便利なエリアが更に利便性を増していく時期にある中で、近年珍しく駅近くの新築マンション供給が無いことから、中古マンションへの引き合いが増しています。
「SKYZ TOWER&GARDEN」「BAYZ TOWER&GARDEN」「パークホームズ豊洲 ザ・レジデンス」といったここ数年で入居開始したタワーマンションに強気の成約が集まり、すべて上昇判定とさせていただきました。特にSKYZにおいては、成約事例の平均は坪330万円を超えるなど、豊洲駅から一番距離が離れているタワーマンションにもかかわらず、人気が集まっています。
また、豊洲3丁目のタワーマンション、豊洲4丁目の大規模板状マンションも活発な取引が観測されています。こちらの6マンションも成約事例から上昇判定となりました。

【有明エリア】
2年後に迫った東京オリンピック開催で大きく変わる有明エリア。現在、新築マンションが2つ販売されていますが、どちらも坪300万円を超える値付けと相当強気です。この新築販売がエリア相場を引っ張り上げる形で、上昇判定4・横ばい判定2の結果となりました。
今回大きく上昇したのは「ブリリアマーレ有明」の3.41%です。同マンションは、コンセプトのユニークさから指名買いも多く、有明エリア内で立地面でも優れていることから、指値無しの成約が多く決まっています。
前期に引き続き、エリアトップの成約事例数は「ブリリア有明スカイタワー」の17事例でした。有明ブリリアシリーズは、新設校であり小中一貫教育である江東西学園の通学エリアであり、子育て世代に人気があります。 「シティタワー有明」も過去最高の成約数を記録しました。同じ分譲主である「シティタワーズ東京ベイ」との比較で購入検討される方が多く、眺望を重視される方が入居されます。
有明エリアは、全体的に3LDKの売出しが少ないことも有り、好条件の部屋はすぐに買い手が付く状態です。
ここに、東京建物が300戸規模のタワーマンション分譲を予定していて、ますます今後が楽しみなエリアです

【東雲エリア】
「ザ 湾岸タワーレックスガーデン」の上半期取引数が15、と目を引きました。総戸数は湾岸エリアの中では中規模クラスの456戸であるにも関わらず、1000戸マンション級の取引数であり、活発さがわかると思います。ただし、成約結果は当社の評価額を下回る事例が多く、これに伴い、評価額を調整させていただきました。  今回、東雲エリア唯一上昇判定となったのは「キャナルファーストタワー」の+1.93%でした。多角形をしたタワーマンションで、広めかつ良い間取りが多く、東雲で落ち着いた生活をされたいお客様が選ばれます。また、キャナルコート内唯一の免震構造である「BEACON Tower Residence」の上期成約事例は11と取引が活性化しています。こちらのマンションはテーマ性が東雲エリアの中でも際立っており、ひと目見て気に入られる方がいらっしゃいます。
辰巳エリアでは、「ブリリア辰巳キャナルテラス」の成約数が8と活発な取引が観測されます。
マンションは、坪単価×平米数であり、ブリリア辰巳は4000万円台前半の湾岸板状マンションとして、前述の湾岸タワーレックスガーデンは5000万円程度の湾岸タワーマンションとして、それぞれエントリー層に引き合いがあります。
さて、イオン東雲の向かい側に、野村不動産売主の「プラウドシティ東雲キャナルマークス」が建設中です。先日モデルルームに伺いましたが、東雲エリアでは過去例のないような坪単価での販売予定でした。こちらの影響は2018年下期?2019年上期に現れるはずです。

【晴海エリア】
「ザ・パークハウス晴海タワーズ クロノレジデンス」が上期取引数10と観測開始以来、初めて2桁の成約数となりました。エリア内の新築タワーマンション、「パークタワー晴海」に引っ張られる形で成約値も伸び、若干ですが上昇判定とさせていただきました。お隣「ザ・パークハウス晴海タワーズ ティアロレジデンス」は、オリンピック決定後に大多数の住戸が売られた関係から入居直後から多数の売却物件が出ましたが、ほぼマッチングは終わり、実需層に入れ替わったことでこちらは一旦落ち着いた形となります。
晴海エリアは、選手村の地下部分の工事が終わり、急にマンションが建ち始めた印象があります。選手村は東京都が環境先進モデル地区に選んでいることもあり、インフラには特に力が入れられています。

【月島・勝どきエリア】
「勝どき ザ・タワー」の前期成約数は驚異の25、今期の成約数が16と引き続き活発な取引が観測されます。坪単価は約350万円と、成約値は一服したと思われます。勝どきは「勝どき東地区再開発」「豊海地区再開発」と、超大規模タワーマンションが怒涛の建設ラッシュを迎えます。これに伴い、中古マンションも活発な取引が期待されます。

●成約戸数

2018年上期の成約戸数(湾ナビ取扱いマンションのみ)は、前年同期比で+18.6%でした。高空を保ったままの日本経済がどこまで続くかはわかりませんが、新築マンションの高騰が収まる気配はありません。選手村開発と併せてオリンピックに向けて急速に街ができつつあります。
今後も湾岸中古マンション売買は堅調に推移すると予想します。

●評価額の変動

2018年下期の全体評価額変動率は、前期比+0.76%の微上昇となりました。

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