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三井健太第44回【中古マンション購入は夫婦の出会いに似ている」

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【中古マンション購入は夫婦の出会いに似ている」

 

マンションとの出会い、中でも中古マンションは夫婦の出会いとよく似ています。

 

より理想に近づけようとお見合いをくり返し、いつまでも結婚しない人。たくさんの出会いと恋愛をしながら、中々結婚しない人。こうして、婚期を逸した人も世の中には随分といるようです。何百万人もいる結婚対象の中から一人だけ選んで一生の伴侶とするのですから、確かにそれは大変なことでしょう。

 

一方、結婚した人たちの現実はどうでしょうか。理想の人だと思って結婚した人もあるでしょうが、大半はそうでないはずです。それでも2人で家庭を築いて行く。やがて、40年、50年と人生を共にする。夫婦というのは、そういうものでしょう。

 

マンションも同じです。これが理想の家とは言えないかもしれないが、時間をかけて探したら理想の家に必ず到達するというものではないので、理想を追い過ぎて何年も不便や窮屈な暮らしを我慢するより、早めに決心した方が幸せというものかもしれません。この先の出会いの方が、より理想の住まいになるという保証はないのです。

 

反対に、縁がない人はモデルルームを見に行くことは行くが、踏ん切りがつけら

れず、何年経っても社宅住まいに甘んじているとか、契約した途端に転勤になって

キャンセルせざるを得ないとか、住宅購入の適齢期に海外赴任を命ぜられ、帰国し

た時には住宅ローンが年限的に借りにくくなってしまったといったケースが挙げられます。

ひどいのは、計画的に資料を集め、比較表を作るなどして研究を深め、優良物件を自分なりに選択して申込んでいるのに、抽選に落ちてばかりで、何年経ってもひとつも買えないというケースです。中古マンションの場合では、気に入っても結論が出せなくて、もたもたしているうちに別の買い手にさらわれてしまったりします。

 

良い物件はないかと毎日WEBサイトをチェックします。SUUMOだったり、仲介業者のHPだったり、駅のフリーペーパースタンドにある情報誌「SUUMO」に目を通したり、宅配新聞を購読している人は折り込みチラシを見たりします。

 

しかし、希望地域を絞って探すので、何度見ても同じ物件しかないと感じます。

 

筆者の場合は、自分が買うわけでなく別の目的ですが、週刊誌SUUMOに毎週全ページ目を通します。そして、「今週も同じだ」と感じたり、ときどき「新しい物件」に気付き「良い場所だ・駅から遠いなあ」「規模が小さい・大きい」、「間取りがいい・悪い」、「高そうだ・安いが郊外ならこんなものか」などと感想を抱いたりします。

しばらく見なかった物件に気付き「だ売れ残っていたか」とか、記憶にない物件を発見して「こんな物件があったのか」などと思ったりします。

 

これに対し、買い手の皆さんは、通勤圏内の希望地域で良さそうな物件はないかと探すはずで、週刊誌よりWEBサイトが中心かと思いますが、WEBサイトでは物件数だけは多数ありそうに見えます。

ところが、詳細に踏み込むと予算オーバーであったり、間取りが悪かったりします。駅からの距離を見てダメの烙印を押したり、既に見学済みで候補から外したりして行くと、残るのは新築マンションの「予告広告」で価格が不明の物件だけとなります。

 

それも、資料を取り寄せたり現地訪問したりして予定価格を知る段階に至ると、希望する部屋は買えないことが分かり、やがて候補から外れて行きます。

 

平行して別の候補を探す努力を続けます。しかし、何度見ても「いつも同じ」と感じます。そのうち、ポータルサイトから探すのに飽きて、デベロッパーのHPを覗くことにします。すると、「○○プロジェクト始動」とか「○○駅徒歩5分に用地取得済み」といったニュースに気付き、ブックマークします。さらに、友の会会員募集に応募して資料の到着を待ちます。期待に胸が膨らむ人もいます。

 

しかし、やがて候補物件にはならないと知って落胆します。中には候補に入れて良さそうな価格の物件と出会いますが、期待外れの内装もさることながら、環境が良くないので検討外の結論がたちまち出てしまいます。

 

忘れた頃に、価格が高いので候補として外した物件の担当営業マンから「キャンペーン」の案内が届きました。「モデルルーム特別分譲」とあり、お得らしいので、訪問予約を入れ再度の訪問となりました。案の定、今月中に契約してくれれば明記した価格からさらに200万円値引きするというのです。しかし、売れ残りの1階住戸では魅力を覚えず、無駄足だったと落胆します。

 

新築マンションから中古マンションへ対象を移し、SUUMOやホームズなどのポータルサイトで検索してみると、予算に合う物件は何百件と出て来る。条件を絞っても50件もある。間取りも良いし、大手分譲なので品質も期待できる、場所も大体だが悪くない感じがする。このような物件が二つ、三つと見つかります。

 

早速、連絡先にメールを送り「内見の希望」を伝え、次週の日曜に見学に行くこととなりました。見学の結果「管理状態も良いし、悪くはない物件だけど、古いなあ」と感じてがっかりし、営業マンから「こんな物件は滅多に出ませんよ」と勧められるが、もうひとつ気に入らないので断ってしまいます。

 

次の物件は大規模で存在感があり、エントランスホールなどの共用部も豪華で一目惚れした。対象住戸も眺望、間取り、設備とも悪くない。少しリフォームが必要になりそうに思ったが、担当者の説明では100万円もかからないというので、予算的にも大丈夫と思った。ところが、オフィスに連れて行かれ、住宅ローンの計算や登記料その他の諸経費を出してもらったところで、「問題なければ申し込みしてくれ」と言われて困惑します。

 

そんな急には結論が出せないと断ると、「中古マンションは先着順なので、早めに結論を下さい」の声だけが響きます。

 

中古マンションは難しいなと感じます。新築マンションなら、担当営業マンが「1週間お待ちします。来週もう一度お越しいただいて課題を解決しましょう」などと言ってくれます。1週間の中で、購入を決断するための問題点を買い手なりに整理して次回の商談(訪問)に臨むことができます。

それに対し、中古マンションは複数の仲介業者が競って販売するので、「売れ違い御免」になるのです。売主が買い手を選ぶということもあるらしく、下手に指値を入れると売ってくれないとも聞きます。

 

新築マンションのモデルルームは常設の展示場のようなもので、何度も訪問できますが、中古は現品販売であり、売主が居住中ということもあって長い時間の見学も遠慮がちになりますし、何度も訪問することができません。これも壁になっている気がします。

 

このような経過で、意中のマンションに辿り着かないまま半年以上の時間が経過します。中には2年も経って見つからない、疲れたので休止中などという人も珍しくありません。

 

「中々ないなあ」と思いながら、今日もマンション探しの旅を続けている人が最後に辿り着くのは「先もの」情報です。各地で進む「再開発計画」は、早くからインターネットの複数のサイトに現れます。

 

例えば、「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」や「春日・後楽園駅前地区第一種市街地再 開発事業」などは、建設新聞のサイトやデベロッパーのHP、各種ブログに紹介されています。これらのサイトから場所や開発地域内のマンションの高さや戸数などは判明します。再開発は概ね駅に近い密集地を束ねて行われるので、利便性に関しては非常に魅力的です。

 

間取りや設備などの詳細は不明ですが、真っ先に知りたいのは発売時期です。2年先の着工で50階建てなどとあれば、入居できるのは3年後です。3年後ではダメだと候補から外す人も多いでしょうが、入居時期は問題だが魅力的なので、是非検討したいと思う人も多いのです。

 

しかし、大事なことは、遠い道のりを歩いて来た揚げ句、ようやく理想のマンションに辿り着いたと思わないことです。何故なら、肝心の価格がとんでもないレベルになってしまう可能性が高いからです。

 

これは「青い鳥症候群」というべき危険な道を行くに等しい行動です。

 

「青い鳥症候群に罹患した人は、理想と現実とのギャップに不満を感じるあまり、理想を求めて次々に新しいものを手に入れようとすること」、「童話で、主人公のチルチルとミチルが幸せの象徴である青い鳥を探しに行くが、意外と幸せの青い鳥は身近にあることに気付かされる」という意味であることは広く知られていますが、マンション探しでも同様の状態(病気)に陥っている人は少なくありません。

 

もう一度、原点に帰って考えてみましょう。「理想を追い過ぎていないか・ないものねだりをしていないか」、「自分は何が足りないのか」と。

また、「買っている人たちはどのようにして見つけたのか」、「迷った点・悩んだ問題をどのようにして解決したのか」そんなことにも思いを馳せてみましょう。

 

考えるほど混乱するばかりという人も見られます。また、急がないとますます高くなるという焦りが先走り、現場の営業マンの口車に乗せられてしまう人もあるようです。

見学したとき、この場所、このマンションに住みたいと感じた、その気分を大事にする。「住みたい。そう思ったから買った」。それでいいのかもしれません。

 

もちろん、心配な点はあるでしょう。それを解決しなければならないのは確かです。営業担当者に質問をして解決しましょう。それでも無理なときは専門家に聞きましょう。そうして、素早く結論を下す。あれこれ考えすぎない。「下手の考え休むに似たり」というではありませんか?

前にも書きましたが、中古マンションを買った人たちの決断の経緯(以下の12項目)も参考にしましょう。

 

=====中古マンションを買った人たちは、どこに安心の拠り所を求めたのか?か?あるいは、どのような考え方をして決断に至ったのか?=======

 

これは個人差のあることで、また調査データのようなものも発見できず、分かりにくいテーマですが、列挙してみましょう。

 

①大手マンションメーカーの分譲したマンションだから大丈夫だろう

②大手ゼネコンが施工したマンションだから大丈夫だろう

③先の大地震でも特に修復が必要な箇所はなかったと説明を受けた

④内見中、室内はとても静かだった。遮音性も悪くはないのだろう

⑤清掃が行き届いており、管理状態も良さそうだ

⑥管理人さんの目が光っているし、オートロックなのでセキュリティも良さそうだ

⑦管理費等の滞納者がゼロと説明を受けた

⑧売る人が少ないというから、きっと良いマンションなのだろう

⑨建物に傾斜はないようだし、東日本大震災の揺れにも耐えた物件なのだから耐震性は大丈夫だろう

⑩疑ったらキリがない。まあ大丈夫だろう

⑪住んでみて不具合があったら売ればいいさ

 

などと自分に言い聞かせて不安を打ち消すのです。

 

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伴侶と会った瞬間に「夫婦になるような気がしたから」とか「一目惚れしたから」という人があります。これとマンション購入は同じかもしれません。

 

 

 

終わり

 

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