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三井健太第4回 2017年12月15日【自宅マンションが値下がりしても満足の条件】

「資産価値」に注目し、できるだけ損をしないマンション選びについて述べても、それを「はかない言葉」としか受け取れない人も少なくないようです。

なかんずく、地方都市に居住する人はその感が強いことでしょう。

地方都市では、そもそも東京のような高いリセールバリュー(売却価格)は期待できないからです。無論、首都圏でも郊外では地方都市並みの売却価格しか期待できない所もあるのです。

 

そこで、高いリセールバリューが期待できない場所で選択する場合の「覚悟」のような考え方をお伝えしようと思います。

 

  • 売却したとき手元に現金が残らない悲しさ

10数年経過し、いざ自宅を売ろうかというとき、調べてみたら売るに売れないという事実を突きつけられショックを受ける人があります。

 

理由は、売却見込み額の低さもさることながら、残った借金(住宅ローン)が売却額より多いため、銀行との清算にあたっては預貯金を崩して追銭(おいせん)しなければならないことに気付くからです。

 

最近は金利が低いので、自宅が30%くらい値下がりしても追い銭をしなければならない物件は少ないのですが、選択を誤るとそうなってしまうことがないわけでもありません。

 

住宅ローンは35年の最長で組む人が多いと思いますが、その場合、例えば10年経過すると、仮に1.0%の固定金利なら、元金はおよそ25%減ります。頭金20%・ローン利用80%で5000万円の物件を購入したような場合、残債は4000×75%で3000万円に減っているので、自宅が30%値下がりして3500万円になっても売却代金だけで清算はできるものの、500万円しか残らないことになります。

売却見込み額が40%ダウンだったら、手元には1銭も残らないという結果もあり得ます。

 

まさか、そこまで下がることはないだろうと高を括っている人は結構多いようで、惚れて買ったというだけでなく、何年か住んで愛着のある我が家ゆえに自己評価を高く見積もりがちです。

 

少し古いデータですが、某調査会社のマンション別の騰落率一覧を見ると、10年後価格の騰落率ワースト50位のトップは、何と50.1%ダウン、50位でも38.7%なのです。これは、地方マンションではなく、東京都23区内の中古マンションリストなのです。その中には大手マンションブランドも散見されます。

(購入のタイミング、売却のタイミングで結果は大きく変動します)

 

ともあれ、売ったとき手元に1銭も残らない状態を想像すると、悲しくてやりきれない――そんな所有者の姿が浮かびます。

 

  • 値下がりの許容範囲はどこまでか

では、1銭も手元に残らないような結果であったとき、その事実をどのように受け止めたらいいのでしょうか?

例えば10年後に売却するとき、値下がりをどこまで許容できるかという問題について考えてみることにします。

 

まず、購入したマンションを賃借したら賃料はいくらかを調べます。例えば20万円と仮定しましょう。としたら、20万円×120か月で2,400万円の支出になりますね。

 

実際の支払いは住宅ローンの返済金の内の金利部分と管理費等で、毎月8万円(※)だったとすれば、10年間合計では960万円になりますから、差し引き1440万円お得ということになります。

(※)金利部分しか計上しないのは、元金部分の返済はローン残高を減らすための貯金のようなもので、支出ではないからです。

言い換えれば、借りたら20万円の家賃負担が必要なマンションに8万円で住めたわけですから、その差12万円(10年間合計1440万円)がお得だったという計算です。

ということは、マンション価格が1440万円下落しても損はないことになります。

 

ちなみに、このマンションを現金購入した場合はどうでしょうか?負担は管理費等だけの毎月30,000円ほどで住めるわけです(厳密には固定資産税なども加わりますが説明を分かりやすくするために省略) 。10年間では360万円だけで新しく広いマンションに住めたことになるわけです。

現金購入の場合、家賃なら2400万円払うべきところ360万円で住めるわけですから、その差額2040万円がお得ということになります。ということは、2040万円の値下がりは許容範囲と言えます。

 

購入マンションが郊外都市にあって、将来の値下がりが必至と予想できる場合で、購入価格が4000万円だとしましょう。頭金を20%、80%の住宅ローンを利用して購入するとします。

1200万円ダウンの2800万円まで許容できると仮定すれば、ダウン率は30とはじかれます。

10年後の価格を誰も当てることはできませんが、首都圏郊外の築10年のマンションは、平時は概ね新築相場の70%くらいなので、上記試算はギリギリの許容範囲となります。

 

ところが、別の角度から見ると許容範囲は変わるのです。その計算をしてみましょう。

住宅ローンは80%の3200万円でした。これが10年後には25%減って2400万円になっていますので、30%の値下がりで2800万円が売却価格だったとしたら、差し引き400万円が手元に残る計算です。仲介手数料が90万円なので、最終的には310万円の手残りとなります。

頭金を800万円入れたので、大きく減らす結果となりました。せめて頭金部分は回収したいと望んだら、あと490万円は高く売らなければなりません。

となると、2800+490万円は3290万円なので、値下がり率は17%未満(3290÷4000)が望ましいということになります。10年で17%ダウンに留まるというのは、地方都市や首都圏郊外都市ではめったにないことです。

 

計算方法の違いで許容範囲に大きな差ができました。目指すは当然17%の値下がりで留まる物件ということになります。

 

  • 最後は割り切り方か

値上がりが期待できそうにない場所で選択するほかにない人は、やはり経済的損失を被るかもしれないと思うべきかもしれません。

 

しかし、ものは考えようと言いますが、同じマンションの同じ間取り、同じ階であったとしても、購入する方が賃借するより充実感は大きいはずです。なぜなら、賃借では得られない周囲の賞賛などから来る満足感、快適な暮らし、幸福感、老後の安心感などを手に入れることができるからです。それがマイホーム購入の最大のメリットでもあるのです。

 

 

こうしたものを私は「精神的利益」と言っているのですが、これは経済的利益(得失)とは比べようがない、測り知れない大きな価値と考えます。最後はこう割り切るしかないのです。というより、ここにこそマンション購入の目的を見出すべきとも言えましょう。

 

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。

 

 

 

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